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クラウドファンディング成功の裏側|歯ブラシアタッチメント特許が生んだ1,000万円の秘密

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クラウドファンディングで製品を出したいけれど…「真似されないか不安」「特許って本当に必要なの?」

この記事を読んでいる方の中には、そんな風に考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、株式会社 HAM(HAM.CORPORATION)が開発した振動歯ブラシアタッチメントを例に、クラウドファンディングにおける特許の重要性と、その成功の裏側を解説します。

振動歯ブラシアタッチメントとは?革新的な製品の誕生

株式会社 HAMは、歯科医師である 北村 公先生が代表を務める会社です。
この会社が開発したのが、普通の歯ブラシに装着するだけで電動歯ブラシのように振動する、画期的なアタッチメント製品です。

製品の特徴は以下の通りです:

  • 既存の歯ブラシを挟んで装着できる仕組み
  • 振動装置とバッテリーが一体化した構造
  • シンプルで使いやすいデザイン

この製品は、クラウドファンディングで約1,000万円の資金調達に成功しました。


特許取得までの険しい道のり

実は、この製品の特許取得は簡単ではありませんでした。

2度の拒絶

特許出願後、特許庁から2回も拒絶理由通知が出されました。
拒絶の理由は「類似する技術が既に存在する」というものでした。

特許庁の調査では、歯ブラシに振動を与えるという発想自体は既に存在していたのです。
ただし、既存技術では振動を与える部分と電気を供給する部分が別々の部品に分かれていました。

審判で勝ち取った特許権

通常の審査で拒絶された後、「審判」という手続きで再度挑戦しました。
弁理士と協力して「振動装置とバッテリーが一体化している点が全く異なる」という反論を丁寧に行い、最終的に特許取得に成功したのです。

シンプルなアイデアほど、特許庁は権利を認めたがらない傾向があります。
なぜなら、シンプルな特許ほど権利範囲が広く、他社が真似しにくくなるからです。
だからこそ、この特許取得は大きな価値があったといえます。


クラウドファンディングで特許が果たした役割

特許は、クラウドファンディングの成功において2つの重要な役割を果たしました。

信頼性の向上

最近のクラウドファンディングでは、中国から輸入した製品をそのまま出品するケースが増えており、信頼性が問題になっています。


「特許取得済み」という事実は、「自社でしっかり製品開発している」という証明になり、支援者からの信頼を集める大きな要因となりました。

模倣品からの保護

クラウドファンディングは人気製品が可視化されるため、実は模倣されやすいプラットフォームです。
「今いくら集まっているか」が公開されているため、「この製品は売れそうだ」と判断されると、すぐに真似されるリスクがあります。


特許を持っていることで、大手企業も含めた競合他社による模倣を防ぐ抑止力が働きます。
もし特許がなければ、大手企業が資金と人員を投入して類似製品を作り、すぐに市場を奪われていた可能性が高いでしょう。


特許と意匠権のダブル戦略

この製品は、特許権だけでなく意匠権も取得しています。


特許権は「技術的なアイデア」を守り、意匠権は「デザイン」を守る権利です。
この2つを組み合わせることで、多角的に製品を保護し、より強固な防御体制を築くことができます。


まとめ:クラウドファンディング成功のカギは知財戦略

株式会社 HAMの事例から学べるポイントは以下の通りです:

  • シンプルなアイデアこそ、特許取得で強力な独占権を得られる
  • 拒絶されても諦めず審判で挑戦する価値がある
  • クラウドファンディングでは特許が信頼性向上と模倣防止の両面で機能する
  • 特許権と意匠権を組み合わせることで、より強固な製品保護が可能

クラウドファンディングで製品を出す前に、特許調査と出願を検討することが成功への近道です。
模倣品に悩まされることなく、安心してビジネスを展開できる環境を整えましょう。



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👉参考動画【歯ブラシで1000万円調達?】事例から学ぶクラファンで注意すべき特許事案を弁理士が解説


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