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特許は99%意味がない?堀江貴文氏の発言から考える特許の本当の価値

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経済番組『RealValue』で、堀江貴文氏や溝口氏が「特許は意味がない」と発言し、話題になりました。


番組に登場したのは、炭素系スタートアップ企業「炭素man GX」を経営する福本社長。
クリーンテック企業として「共同特許出願で特許を持っており、優位に立てる」とプレゼンしたところ、堀江氏らから「特許って99%意味ない」と厳しく突っ込まれ、あわあわとなってしまう場面がありました。


確かに、特許を取得しても必ずしも事業で成功するわけではありません。
しかし、本当に特許は意味がないのでしょうか?

本記事では、現役弁理士の視点から「意味のある特許」と「意味がない特許」の違い、そして特許が持つ本当の価値について解説します。

「特許は意味がない」と言われる理由

堀江氏らが「特許は意味がない」と発言した背景には、実は業界の構造的な問題があります。


特許で製品やサービスを独占することは不可能

iPhoneを例に考えてみましょう。
Apple社がiPhoneに関する特許をすべて持っているかというと、そうではありません。
半導体チップ、ディスプレイ、カメラなど、一つの製品には様々な技術が使われており、それぞれ異なる会社が特許を保有しています。


つまり、一つの製品やサービスに対して複数の企業が特許を持ち寄り、お互いに均衡を保っているのが現実です。特許を取ったからといって、市場を独占できるわけではないのです。


権利範囲が狭く簡単に回避できる特許が多い

特許を取得しても、その権利範囲が狭ければ、他社は少し設計を変えるだけで回避できてしまいます。せっかく費用と時間をかけて特許を取得しても、実際のビジネスでは役に立たないケースがあるのです。

大企業がノルマで量産する「意味のない特許」

日本では年間数十万件の特許出願があり、その8割以上を大企業が占めています。
実は大企業の中には、部署の評価基準として「年間何件特許出願したか」という件数ノルマを設けているところがあります。


その結果、「とにかく件数を稼ぐため」に質の低い特許が量産されているのが実情です。このような特許は、確かに「意味がない」と言えるでしょう。


特許訴訟の件数が圧倒的に少ない

特許の価値が認められるのは、訴訟で勝訴したときです。
しかし、日本における特許訴訟は年間100件前後と非常に少ないのが現状です。
多くのケースは水面下で和解や警告で終わるため、特許の効果が表に出てきません。
そのため「意味がない」と思われがちなのです。


弁理士に丸投げして戦略性のない特許になっている

弁理士は特許を取得するプロですが、その企業の事業戦略まで深く理解しているわけではありません。「この会社がどこを守るべきか」「この特許がビジネス上どんな意味を持つか」は、企業側と弁理士が一緒に議論して作り上げていく必要があります。


弁理士に丸投げして取得した特許は、自社が本当に守りたい部分をカバーできず、結果的に「意味がない」特許になってしまうケースが多いのです。


「意味のある特許」が持つメリット

では、戦略的に取得した「意味のある特許」には、どんなメリットがあるのでしょうか。

訴訟で勝ちやすくなり、和解に持ち込みやすくなる

特許を持っていれば、他社が自社の技術を侵害した際に、訴訟を有利に進められます。また、訴訟にならなくても、特許を盾に相手と交渉し、和解に持ち込むこともできます。これが特許の最も大きなメリットと言えるでしょう。

他社を牽制し、攻撃されにくくなる

お互いに特許を持っている企業同士は、カウンターで訴訟し返されるリスクがあるため、迂闊に攻撃できません。特許を持つことで、他社からの攻撃を未然に防ぎ、均衡を保つことができるのです。



大企業とのアライアンス提携がしやすくなる

大企業は知的財産を重視するため、しっかりした特許ポートフォリオを持つ企業を信頼します。特許を保有していることで、大企業との提携交渉が有利に進み、ビジネスチャンスが広がります。

資金調達が有利になる

特にスタートアップ企業にとって、特許は資金調達の強力な武器になります。VCや投資家は、特許を持つ企業を「技術力がある」「模倣されにくい」と評価し、投資しやすくなります。

また、銀行融資においても、特許などの無形資産を評価する制度が整備されつつあり、融資を受けやすくなる傾向にあります。

売上に直接貢献する場合がある

「その製品を出せるのは御社だけですか?」と聞かれたときに、特許があれば自信を持って「はい」と答えられます。他社に真似されにくくなるだけでなく、マーケティングの観点でも信頼性が高まり、売上アップにつながる可能性があります。


まとめ:特許は「取り方」次第で価値が決まる

堀江氏らが言う「99%の特許は意味がない」という発言は、ある意味正しいと言えます。

しかし、それは「戦略性のない特許」や「ノルマで量産された特許」が多いからであり、特許そのものに価値がないわけではありません。

重要なのは、自社のビジネス戦略に基づいて、本当に守るべき部分をカバーする「意味のある特許」を取得することです。そのためには、弁理士と密に連携し、「この特許がビジネス上どんな価値を持つか」を常に意識しながら知財戦略を構築していく必要があります。

特許は、正しく活用すれば企業の成長を大きく後押しする強力な武器になります。「意味がない」と諦める前に、まずは自社のビジネスに本当に必要な特許は何かを見極めることから始めてみてはいかがでしょうか。

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👉参考動画【反論】ホリエモン・溝口氏が語った「特許の99%は意味ない」に現役弁理士がアンサーします


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